2017年11月8日水曜日

秋山徳蔵氏の「ソースキュリ」

秋山徳蔵著「仏蘭西料理全書」(大正十二年)より、「ソースキュリ」のレシピでカレーソースを作ってみた。セロリやパセリを多目に使い、コンソメでのばすのが特徴。目玉焼きをのせて高等ライスに。



カレーライスの上に目玉焼きをのせたものを高等ライスと呼ぶ。それを知ったのは故郷岐阜にある明治40年創業の洋食店あじろ亭がきっかけだった。岐阜には以前、三河亭というさらに古いお店があり、そこの高等ライスが有名だったようだが、残念ながら閉店してしまった。

あじろ亭の高等ライスは牛肉とマッシュルームが入った白っぽいカレーライスに絶妙な焼き加減の目玉焼きがのっている。目玉焼きを割ると黄身がとろっとこぼれる、ここに創業当時から受け継がれているという特製のソースをかけて食べるのだが、これが涙が出るほど美味しい。生まれて初めて食べた時は、あまりの美味しさに罪の意識さえ感じた。


あじろ亭のカレーが食べたい、毎日そんなことばかりを考えているが、故郷の岐阜はなかなか遠い。何とかしてあの味を家で再現できないだろうかと古い料理本でカレーのレシピを見つけては無謀な研究を繰り返す日々である。創業100年を越える老舗の味に一介の小娘が挑むのは誠に愚かしきことと思われるが、そうせざるを得ないほど、あじろ亭のカレーに魅了させられてしまったのだ。


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秋山徳蔵の「ソースキュリ」のレシピを応用した高等ライスの作り方



材料(5~6分)           
玉ねぎ      25g
セロリの茎   100g
パセリの茎    30g
バター    大さじ5
タイム      少々
ローリエ     一枚
ナツメグ     少々
小麦粉      48g
カレー粉     小さじ4
コンソメ     800cc
牛肉        300g
マッシュルーム  10個
御飯       人数分
玉子       人数分

拵え方
一、牛肉は食べやすい大きさに切って塩、胡椒をし、小麦粉(分量外)をふって、バター大さじ1で炒める。コンソメスープと湯200ccを注ぎ、アクを取りながら肉が柔らかくなるまでじっくり煮る。煮えたら肉とスープを分けておく。

二、玉ねぎ、セロリ、パセリの茎は細かくみじん切りにする。

三、フライパンにバター大さじ1を溶かして玉ねぎ、セロリ、パセリを軽く色づくまで炒める、タイム、ローリエ、ナツメグを加えてさっと炒める。

四、残りのバターを足し、小麦粉とカレー粉を加えて焦がさないように弱火でしばらく炒める。

五、4に1のスープを少しずつ加えながら、そのつどダマにならぬようによく混ぜる。スープが全部入ったら煮込み用の鍋に移し、蓋をしてトロ火で45分ほど煮込む。底が焦げ付かないように時々かき混ぜること。

六、5のソースを濾し、味をみて塩、胡椒で調味する。

七、マッシュルームを四つ割にして、牛肉と共に6のソースで二十分くらい、トロ火で味を含ませるように煮る。ソースが煮詰まりそうな場合は湯またはスープを足す。逆に薄い場合は、暫く煮詰めて調整する。仕上げに味をみて、塩胡椒で調味する。

八、お皿に御飯をよそい、カレーをかけ、半熟に焼いた目玉焼きをのせる。

〔附言〕カレーソースにポートワインかマデイラ酒を加えて作ると、より美味しくできました。元のレシピより大幅にカレー粉の量を増やしています。原文のレシピにあるようにココナッツミルクで作っても美味しそうです。

今回使用したレシピ(写真をクリックすると大きくなります)

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